バリの鞄職人見習い′′リアン’’
彼はまだ18才のジャワ島から来た少年だ。
こうばの一角に住みながら毎日一生懸命少しずつ鞄の作り方を覚えている。
職人たちの休憩中、ミシン台の上に残された縫いかけの鞄をこっそり、じっくりながめては自分なりに縫い方をイメージしてるのを私は知っている。
真っ直ぐな彼の目線が大好きだ。
そんな彼と今回、椅子カバーを作った。
鞄を作った時に出る、本来捨てられるはずの切れ端や使えない大きな穴があいた革を使って。
リアンにこんな風に君の好きに縫っていいんだ よ と伝えながら、ハッと気がついた。
今までずっと、こうばのスタッフ達に
言ってきたのは、まっすぐきれいに縫わなきゃだめ。きれいに縫わなきゃ日本では売れない。
クオリティー。
それももちろん、大事なことだけれど、
ピリピリしながら、きっちりやることだけにフォーカスしてモノ作りすることに自分も何だか疲れてたんだな。
職人の個性や楽しいと思う気持ちが入ったモノには愛があってのびのびしている。
何よりも、好きにやるということをとても楽しそうにキラキラした表情でやっていた。
ずっと私は彼らのこんな顔が見たかったんだ。
そうして出来上がった、彼の椅子。
彼の愛がとっても感じられるモノになりました。
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